スヌ子とスヌ男のルイジアナ滞在記

アメリカ ルイジアナ州で新婚生活を送ることになったスヌ子とスヌ男。バイユーに囲まれた日常を書き留めてみました。

Gator Country

こんにちは、スヌ男です。

私たちが暮らすルイジアナ州南部は湿地が多く、ワニ(Alligator)と出会う機会が多いです。町外れの道路わきの水路で泳いでいたり、町で見かける「ごみはゴミ箱に!」の看板にワニが描かれていたり、はたまたレストランではFried Alligatorとして提供されていたり、、、小さい頃から爬虫類を眺めるのが好きだった私にとっては刺激的な地域ではありますが、今回はそんな爬虫類好き、特にワニ好きにはたまらないスポットをご紹介します。

 

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HoustonからI-10(Interstate Highway 10)に乗って車で東に120km、Texas州東部のBeaumontという町の外れに、「Gator Country」というテーマパークがあります。ぐるりと歩いて5分ほどの敷地の中に池がいくつかあり、大小計400頭ほどのAlligatorが飼育されています。これらのAlligatorは、洪水後に民家の裏庭で発見されたのを連れてくるなど、主に施設のオーナーが「害獣駆除」をしてこの施設に保護してきたものです。敷地内にあるロッジの中には、Alligatorの他にもヘビ、カメレオン、大型のトカゲといった爬虫類が水槽やゲージの中にわんさか飼育されており、係のお兄さんが頼む間もなく次から次へと彼らをゲージから出しては私たちに持たせてくれるなど(はしゃぎすぎて、写真を撮るのを失念)、爬虫類好きにとってはたまらない観光地となっています。手のひらにすっぽり納まるカイマンのとにかく可愛いこと、、、

 

 

I-10沿いに見える、トタンと木材を緑色のペンキで塗りたくって出来た手作り感満載のワニ型の建物がパークの入り口です。受付のお兄さんに入場料(大人1人15ドル)と紙袋いっぱいのドッグフード代(一袋2ドル)を支払い、裏口から一番近くの池へと向かいます。眼前に待ち受けていたのは早速大量のAlligatorたち!でした。全長1~2mくらいのワニたちがざっと見ただけでも20頭ほど、池の周りにずらーっと寝そべっており、なかには池の中から顔を覗かせているものもあります。みんな身動き一つしておらず、始めはてっきり全て置物と思っていましたが、「早く置物じゃなくて本物を見せてよ~」とドッグフードを手に取って池の中に投げ入れた瞬間、彼らが水しぶきを上げてとてつもない俊敏さでドッグフードを取り囲み、その想像以上の素早さに思わずぞっとしました(池は高さ2mほどの柵で囲われているので安全です)。その後はハトにパンくずを与える要領で、ドッグフードをAlligatorに投げ与えていきます。気づけば「ノーバウンドでワニの口に入れる」「遠くにいるワニの頭に乗せる」などのゲームに。

 

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本パークのハイライトは、オーナー(何故か裸足)をはじめ、飼育員の方々(みんな裸足)がワニとじゃれ合うショータイムです。岸辺に下あごを乗せて待ちわびる大型Alligatorの鼻頭を「Up! Up!」と言いながらぽんぽんと叩き、彼らがそれに反応してぐわっと口を開けた瞬間に肉の塊を放り込みます。肉塊がAlligatorの舌の表面の細胞に触れるやいなや、強靭なあごの筋肉を使って「バタンッ!!」と大きな音を立てて口を閉じ、肉塊を一飲みにしてしまいます。この勢いよく口が閉じる時の音は凄まじく、十数メートル離れた場所からも聞くことが出来ました。野生のAlligatorと面と向かって対峙してしまったら一巻の終わりであることを悟りました。と思った矢先、調子に乗って陸に上がってきたAlligatorの鼻ずらを素手で思いっきり叩き(ワニにとっては大したことではないと思いますが)、彼らを池へと返したオーナーを見て、もう一人まともに対峙してはいけない存在を悟りました。

 

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ここGator Countryには、害獣駆除&保護されたAlligatorの中でもアメリカ最大と言われる、「Big Tex」(13 Feet 8 1/2 Inches Long)もいます。その貫禄や半端なく、一見の価値ありです。

Gator Country 公式サイト

 

ルイジアナの奇界遺産「ショーヴァン スカルプチャーガーデン」に行ってみた

スヌ子です。

今日はルイジアナにある不思議な奇界遺産を紹介したいと思います。

 

とある日、スヌ子がInstagramのタイムラインを眺めていると...な、な、なんだここ!と目を奪われる、世にも不思議な場所が紹介されていました。しかも場所はルイジアナ州内らしい...

 

気になってネットで検索するも、日本語のサイトの情報は皆無。
今度は英語で検索してみたところ、ルイジアナ州南東部の小さな村にぽつんとある、カラフルで個性的な彫刻がひしめく庭園だということがわかりました。

 

ここが今回ご紹介する「ショーヴァン スカルプチャーガーデン(Chauvin Sculpture Garden)」です。

 

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あまりに不思議なスポットだったので、10月中旬に実際に訪れてみました。

 

ショーヴァン スカルプチャーガーデンとは

レンガ積み職人だったケニー・ヒル(Kenny Hill)さんによって作られた100体を超える宗教的事柄をモチーフとした彫刻が集まる庭園。1989年頃から、ケニーさんがこの地を離れた2000年頃までの10年の間に作られたと言われている。

 

ケニーさんがこの地に住み、彫刻を創り上げていた時は、写真撮影やメディアへの掲載すら拒んでいたと言われているが、その後の2002年、ニコールズ州立大学(Nicholls State University)アートスタジオの尽力により、一般公開された。

公式サイト参照

 

行き方

住所:5337 Bayouside Drive, Chauvin, Louisiana 70344

 

ショーヴァン スカルプチャーガーデンは、ニューオリンズから車で南に2時間ほど行った、人口3000人ほどの小さな村ショーヴァン(Chauvin)にあります。

 

余談ですが、近くの街ホーマ(Houma)あたりからこの地域一帯は、サトウキビの一大栽培地となっており、一面のサトウキビ畑を見ながらドライブを楽しめます。(まさにざわわ〜♪状態です) 途中製糖工場があったり、運搬トラックから落ちたサトウキビが道路のあちらこちらで見られたりと、サトウキビづくしの景色が楽しめました。

 

 

営業時間

※こちらの情報は2017/10現在の情報です。正確な情報は公式サイトを逐一ご確認ください

 

見学時間: 毎日 8:00 - 17:00

入場料:無料

駐車場:無料(庭園の反対側にあるアートスタジオの駐車場を利用)

 

自分で自由にみて回ることも可能ですが、土日に限りツアーが設定されているようです。(要予約)

予約先 : 

Nicholls State University Art Studio (985-594-2546)

または Nicholls State University Division of Art (985-448-4597)

 

実際に行ってみた

庭園の入り口はこんな感じです。ひっそりとした住宅街の通りに面しています。 

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入ってすぐに小さな橋を渡ります...現実の世界から、不思議な世界へと誘われているようです。

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橋を渡るとすぐに我々の目に飛び込んできたものは...

 

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すごい....!!!

 

庭園内には所狭しとケニーさんが創った彫刻が並べてあります。 人間と同じか、それ以上の高さなので圧倒されます。

 

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実はこの彫刻の中には、ケニーさん自身だと言われているものがいくつかあります。

 

心臓から血を流しているケニーさん

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貝を耳に当てて木に腰掛けているケニーさん(ハープの奥に見えている男性)

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十字架を背負ったイエス・キリストの後ろにいる、同じく十字架を背負っている男性もケニーさん自身だそうです。

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チャーミングで、それでいて少しグロテスクな彫刻の数々に見とれていると、庭園の一番奥に、この庭園最大の見所である、高さ約14m、7000個ものレンガを積み上げて作られた灯台が姿を表します

 

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灯台には、カウボーイ、兵士、天使、神などの彫刻がびっしりと飾られています。

どうやらこの中にケニーさんもいるようですが、私たちはどれがケニーさんか見つけることができませんでした。レンガ職人であったケニーさんの渾身の一作です。

 

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灯台の裏手にも、池に反射した自分の姿をぞき込む少女の彫刻(画像中央)などのアートがあったのですが、この前日に雨が降ったこともあり、水没してよく見ることができませんでした...残念

 

 

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夢中で写真を撮って、最後には彫刻たちと記念撮影もしてその場を後にしました。
滞在時間は30分ぐらいあれば十分かと思います。

とても静かで、不思議な時間の流れる庭園でした。

 

なぜこんな庭園を創ったのか

長い時間をかけて、一体一体の彫刻に命を吹き込んだケニーさんですが、 一番気になるのは、なぜこんな庭園を創ったのかということ。

 

そのことについて、彼自身はあるインタビューで以下のように語っています。

 

「この庭園は私の人生すべてだ」


「彫刻を見た人それぞれの知識や経験を以て、それぞれの感じ方をしてほしい」

 

インタビューの中でケニーさんは、この庭園は彼のどんな想いが込められているのか、訪れた人に何を感じて欲しいのか、といった彫刻に関しての詳しい説明は避けたようです。ケニーさんは、庭園を訪れた人たちそれぞれが、各々のメッセージをこの彫刻たちから感じて欲しい、という願いをもっているようです。

 

私たちが訪れたのは土曜日のお昼近くでしたが、他に観光客もおらず、静かに鑑賞することができました。
見学している途中、隣の家に住んでいるケニーさんのことをよく知るご婦人が、親切にもこの庭園のこと、ケニーさん自身のことなどを詳しく教えてくださいました。彼女の話によると、現在ケニーさんはご高齢のため、ケアホームで暮らしているそうです。

 

機会があれば、ぜひ実際にケニーさんの創った彫刻の数々を見てみてください。

以上、ルイジアナの不思議な奇界遺産をご紹介しました。

自己紹介

スヌ子

学生時代から世界各国を飛び回ってきたバックパッカー
これまで訪れてきた国は40ヵ国以上

「一人でラーメン屋には入れないが、一人でアフリカへは行ける」という20代A型女子  

働いては海外に行くという独身生活を謳歌した後、ひょんなことからスヌ男と結婚。渡米。現在に至る。好きな国はアイスランド

 

 スヌ男

極度の寒がりでありユニクロの「極暖」に日々感謝

アメリカに赴任中、日本への一時帰国時にスヌ子を発見、結婚。自宅でスヌーピーのトレーナーを着こなしていたことから「スヌ男」と命名される  

アクティブ過ぎるスヌ子に振り回される30代男子 好きな国は日本